Let’s DANCEは関西では確かな基盤を築いているが、今夏東京で行われた活動は、ワンマンショーだった。9月の東京での会議の後、弁護士の齋藤貴弘と昼食で会ったが、彼は目にみえる疲労具合で「東京のクラブは問題の深刻さをわかっていない」と嘆いた。東京のクラブ経営者に参加を訴えても、警察の目の敵になることを恐れて大多数は消極的だという。
だが心配した方がいい理由はある。東京のLet’s DANCE会議の直後、Club AsiaやVuenosといった、渋谷エリアのクラブが次々と摘発されたのだ。タイミングからみて偶然かもしれないが、あるクラブプロモーターはこの状況を「怖い」と言った。
齋藤は国会議員にも声をかけており、東京の会議には民主党議員二名と、共産党議員一名が参加した。ベルリンのクラブ経営者やイベントオーガナイザーによるロビー団体の、ベルリン・クラブ・コミッションからも代表者を招聘し、同じような組織を日本に設立することも考えている。クラブの声をまとめてひとつにするだけではなく、社会の中のポジション向上も狙える。
だが、彼自身も、成功の見込みが薄いことは理解している。警察の力が強いからではない。営業時間のせいでもなければ、ダンスフロアで客がどう体を動かすべきかを取り締まる風変わりな法のせいでもない。一番の理由は、日本のクラバーたちが高齢化しており、若者のクラブ離れがおきていることだ。「風営法がなかったとしても、クラブの時代が終わりに差し掛かっているのではないかと心配している」とランチの終りかけに彼は語った。
金光はそう思っていないかもしれない。先月のLet’s DANCE会議で会ったとき、彼は翌日に予審を控えていた。NOONの経営者は、日本のアンダーグラウンドのダンスカルチャーを、日の光りのあたる場所に持っていきたいと言った。次のプロジェクトのアイデアはもうある。「中学生や高校生がいけるようなクラブを作りたい。10時以降に来店する仕事帰りの大人だけを相手にしていても商売にはならない。カラオケをみてもそうだ。日中の料金は安いので、主婦や学生たちも行く。その方向に、可能性があると思う」
日本のクラブはとても奇妙な現状にさらされているが、近い将来、さらに奇妙なことになるかもしれない。
”- 日本でのダンスはご遠慮ください - Time Out Tokyo (タイムアウト東京)