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- 放射線と冷静に向き合いたい - 本と奇妙な煙
喫煙をことさら不健康なものにしているのは、簡単に言うとたばこの成分ではなくそこに付着したものだ。肥料である。(略)
[肥料の化学物質に含まれる]ポロニウム210は四分の三ほどが食べ物から体内に入り、うち50~90%は汗や便といっしょに排泄される。しかし、残りは体内にとどまり、血管を通って身体中をめぐる。喫煙者は非喫煙者に比べて血中のポロニウム210が30%多い。
たばこに火をつけて煙を吸い込むとき、赤々と光る先端の中心温度は800~900℃になる。これによりポロニウム210がエアロゾル(空気中を浮遊する微小な粒子)と化し、気管支樹や肺に直接吸い込まれる。フィルターはほとんど役に立たず、吸い込まれるポロニウム210の濃度を5%も下げない。ホウレンソウやブロッコリーなどの葉についたものは、何らかの理由で燻してエアロゾル化させないかぎりは危険でない。それに対し、たばこを吸うことはある意味、小さな核兵器を意図的に肺に吸い込んでいるようなものである。
たばこメーカーは、たばこにポロニウム210が含まれていることを1960年代から知っている。
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