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"安田はキングゲイナーで変わったこととして、「長年務めた会社(カプコン)をエクソダスしました」と笑いを誘う。そこで富野総監督はエクソダスというものについてこう語る。 富野総監督:「当時、エクソダスという..."

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安田はキングゲイナーで変わったこととして、「長年務めた会社(カプコン)をエクソダスしました」と笑いを誘う。そこで富野総監督はエクソダスというものについてこう語る。

富野総監督:「当時、エクソダスというものに対して自覚が足りなかった。だけど30代、40前後の一番人生がブレる時期の人たちにとってエクソダスという言葉は重みのあるものだった。アニメだってリアルへの影響力があるのだということは、死ぬまで気をつけます」

古来の武士や終身雇用が成り立っていた時代においては一所懸命という言葉があり、ひとつの組織に誠心誠意尽くすことと、その見返りとして安定を得る、という生き方があった。しかし今は大企業も平気で潰れたり合併で消滅したりする。それと心中してはいけない時代なのだ。『キングゲイナー』が放映された2002年は、ちょうど小泉内閣が非正規雇用の拡大政策を実施した頃で、契約社員や派遣社員が増えた時期でもあった。人と組織の在り方が変わっていった時代において”エクソダス”=脱出というキーワードを中心に据えた感性は、やはり富野由悠季は時代を正確に捉えていたと言わざるを得ない。

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そして今も30代、40前後が一番人生がブレる、とその年代になれば安定しているだろうと勘違いしている者たちへの強い警告をアニメで発することができる、希有な才能であろう。このことは「大人はアニメなんかさっさと忘れなさい」という富野総監督のかつての持論と反する。これはそういう表現がアニメというジャンルで可能となってきた、という変化であるかもしれないし、これまで主に子供向けに作ってきたものと『キングゲイナー』は違っていたということなのかもしれない。そして我々は知っている。ずっとアニメを「子供だまし」とは違う何かにするべく誰よりも必死にやってきたのは富野由悠季という人物であるということを。



- 【レポート】富野由悠季監督が今振り返る『キングゲイナー』の10年 -「今一番忘れられていることをやっている」 (1) 富野監督「この人たちに総監督をさせられてしまった富野です」 | ホビー | マイナビニュース (via petapeta)

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